ECHAはPNEC/DNELの導出とリスク評価について明確化

Date: 2 May 2022

弊社はクライアントを代表して、4 つの具体的なケースにおける PNEC/ DNEL の導出とリスク評価の必要性について、ECHA にコメントを求めました。その事例とECHAからの回答を下表にまとめましたのでご覧ください。
ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

ケース1:
  • CLPにおいてnon-classifiedの物質
  • ヒト健康への影響を示すエンドポイント(分類なし)
  • PBT/vPvBではない
ケース2:
  • ヒト健康影響に分類される物質
  • 環境影響の分類はない(no classification)
  • 生態毒性試験において影響を示さない
  • PBT/vPvB ではない
ECHA への質問 ECHA からの回答
  • DNEL は導出されるのか?
  • 必要な試験で影響が観察された場合(無影響レベルが導き出せる場合)、その影響が分類のトリガーとして適格であるかどうかに関わらず、DNEL を導き出す必要があります。
    • 長期的な全身への影響については、すべての経路に対応する必要があり(職業的評価のための経口は除く)、経路から経路への外挿が適用される場合があります。
    • 観察された影響が局所的なものであれば、対応する曝露経路のみに対処すればよい。
  • すべての DNEL を導き出すのか、それともそれぞれの暴露経路の DNEL のみを導き出すのか?
  • DNEL と PNEC の導出には直接的な関係がないため、必要な生態毒性試験で影響が見られた場合、PNEC を導出することになる。
  • リスクアセスメントは必要 か?
  • 有害物質として分類されず、PBT/vPvB とも見なされない場合は、暴露評価とリスク特性化は必要ない (REACH 条項14(4) ) 。
  • DNEL を導出した場合、PNEC を導出し、リスク評価を実施するのか?
  • ECHA への質問 ECHA からの回答
  • DNEL は導出されるのか?
  • DNELs と PNECs - ケース 1 を参照。
  • すべての DNEL を導き出すのか、それともそれぞれの暴露経路の DNEL のみを導 き出すのか?
  • DNEL および PNEC が導出されていない場合、提供された CSR では(分類にもかかわらず)定性的な曝露評価とリス ク特定化の必要ありません。ただし、定性的評価は必要かも しれません。
  • リスクアセスメントは必要か?
  • PNEC が導出されていなくても、一般住民の長期吸入または経口 DNEL が導出されている場合、トン数帯や特定のハザ ードクラスによっては、環境を介したヒトへの暴露評価とリ スク特定化が必要な場合があります。
  • DNEL を導出した場合、PNEC を導出し、リスク評価を実施するのか?
  • ケース 3 :
    • 非分類物質(non-classified)
    • PBT/vPvB ではない
    • 水生毒性試験で影響を示さず
    ECHA への質問 ECHA からの回答
  • 限界投与量までのハザードが観測されていないため、他のコンパートメントのPNEC をスキップして、PNEC STP(1 コンパートメント)のみを導出することは可能でしょうか?
  • PNEC STP のみの導出も可能です。
  • ケース4 :
    • 非分類物質
    • PNEC と DNEL が導出されている
    ECHA への質問 ECHA からの回答
  • 曝露評価は必要ですか?
  • PNEC が導出されていなくても、一般住民の長期吸入または経口 DNEL が導出されている場合、トン数帯や特定のハザ ードクラスによっては、環境を介したヒトへの暴露評価とリ スク特定化が必要な場合があります。
  • それとも、その物質が分類されていないことを理由 に、代わりに CSR が免除さ れるのでしょうか?
  • CSR1-8 項の作成は要求されます。
  • 詳細については、お気軽にお問い合わせください。

    info@scc-japan.com |お問い合わせ