REACH改定2024/2025: 混合物評価係数 (MAF:Mixture Allocation Factor)

Date: 26 June, 2023

REACH 改定案では、混合物評価係数(MAF:Mixture Allocation Factor)という新しい規定が導入されます。MAFの概念は、化学物質のリスク管理において、同一物質への異なる暴露源(多重暴露)や複数の異なる物質(カクテル効果)による(環境)毒性学的な有害影響を考慮するために導入されます。この提案は、ほとんどの個々の登録者が、競合他社が登録した同じ物質の他の用途についてあまり知らず、また自社の物質の使用者、一般市民、環境が他の物質にどのように暴露されているかを知らないという問題に対処することを目的としています。

 

REACH登録データを含む大規模データベースの評価では、リスク特性比(RCR)1を超える累積リスクレベルが確認されているため、実用的かつ予防的なデフォルト想定として、混合物評価の概念の採用が提案されました。リスクマネジメントツールMAFは、人間集団や環境が暴露されるすべての(関連)物質を考慮した特定のリスクアセスメントが不可能な場合に、CSRに適用されるべきです。

 

MAFのデフォルト値は5が提案されており、登録トン数が1,000トン/年以上の物質(登録総トン数の99.8%以上をカバー)に適用されるべきであり、また、新たな動物実験を行うことなく、閾値のない発がん性物質や変異原性物質のDMEL(Derived Minimal Effect Levels:導出最小毒性量)を設定するために利用されるべきであるとしています。

 

MAFは、環境および毒性学的リスクアセスメントに関連するものです。特定のリスクアセスメントが実施され、その結果が報告された場合、既定のMAFからの適用除外が可能です。

 

REACH 改定に伴い想定される変更範囲の詳細については、こちらをご参照くださいCARACAL presentation

https://www.scc-gmbh.de/images/scc/news/AP4_1_REACH_revision_overview_CARACAL-48_presentation.pdf

 

この情報は現時点のものであり、本規則が最終化されるまでは改訂、変更されます。
SCCは引き続きモニタリングを行い、本サイトで随時アップデートを行っていきます。 

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