K-REACH ポリマーの共同申請

CICO(Chemical substance Information Communicative Organization, K-SIEF)は、個々の化学物質ごとに形成されます。同様にポリマーについても CICO は形成されますが、ポリマーには様々なグレードがあるため、ポリマーがのようにグループ化されるかはK-REACH のポリマー登録において重要なポイントとなります。

今回は K-REACH のポリマー申請について、2回目の配信です。本情報が皆様のお役に立てば幸いです。

ポリマーの CICO を作るには?

2020 年 9 月に環境省(MoE)が発表したポリマー登録に関する最新のガイダンスによると、ポリマーの同一性は基本的に重合に使用されるモノマーの情報に依存するとしています。つまり、ポリマーの数平均分子量(Mn)やモノマー含有量が同じでなくても、ポリマーが同じモノマーや反応生成物を持つと考えられる場合には、共同申請が可能となります。

それでもなお、ポリマーの危険有害性評価ではそれらの分子構造や官能基を考慮する必要があります。また、モノマーが同じであっても、化学構造の違いにより CAS 番号が異なる場合があります。この場合、別の CICO が作成されることになりますが、必要とされる新しい試験の数を最小限にするために、リード・アクロス・アプローチを適用することができます

ポリマーの SID (Substance Identity)レポートを作成するには?

新しいポリマーガイダンスには、物質同定のための測定法、溶媒等に関する詳細な情報が含まれています。例えば、推奨される分子量分布の測定法としては、GPC、浸透圧法、光散乱法、固有粘度法が挙げられています。各分子の分子量が低く、GPC では低分子ポリマーの分離が困難な場合は、HPLC での測定が代替法として認められています。

ポリマー共同申請のためのデータ要件

ポリマーの共同申請のためのデータ要件は、ポリマーの特性を示すデータの他、既存化学物質の共同申請と同様に、物理化学的特性、ヒト健康有害性、環境毒性、リスクアセスメントが求められます。

新しいガイダンスでは、ポリマーの反応性は重合に関与するモノマー単位の数に影響を受けることを示唆しています。したがって、有害な成分の等価重量を特定する必要があり、登録者はポリマーに対して適切な試験対象物質を選択する必要があります。これには CICO 内での積極的なデータ共有と議論が必要です。

物理化学的特性 vs ヒト健康有害性・環境毒性

モノマー含有量や Mn 値の違いにより物理化学的特性が異なる場合はCICO の各メンバーが物理化学的特性データを準備するする必要があ
りますが、CICO 内でさらに Mn に基づいてポリマーをグループ化することで、同一の物理化学データを提出することができます。ヒト健康有害性・環境毒性のデータについては、CICO 内で代表するポリマーを選択し、各エンドポイントについて単一のデータセットを選ばなければなりません。ガイドラインには、これらのエンドポイントの代表的なデータセットを決定する方法についても記載されています。
試験対象物質の決定は登録者の課題です。登録者はポリマーのいくつかのグレードを選択して、分子量によって異なる潜在的な危険性を確認することができます。一般的にポリマーが他の有害な元素や官能基、対イオン(金属イオン)を持たない場合、Mn の最も低いポリマーが最も有害であると考えられますが、それらを持つ場合、有害な元素や官能基の等価質量を調べる必要があります。

高分子化合物登録のためのガイダンス(2020)

NLP(No Longer Polymers)について

  • ガイダンスでは、次を満たす NLP は当該ポリマーと一緒に登録することができます。
    全ての用途と暴露シナリオが同一であり、
  • カチオンポリマーではなく、
  • 未反応ポリマーが危険物質リストに掲載されている、あるいは SVHC とみなされている、あるいは新規化学物質でありポリマー中に 0.1%未満で存在する場合

※K-REACH 上では NLP という定義はありません、ここでは法改訂によりもはやポリマーではなくなったポリマーを指します。

よって、左述を満たす NLP とポリマーの登録を希望する者は、数量を合算して登録することができます。また、当該 NLP がすでに EU-REACH で登録されている場合は、本登録のためのデータセットがすでに利用可能であり、これらを利用することでコスト削減が望めます。さらに、登録者は不必要な動物実験を避けることができます。このメリットを享受するためには、登録者は NLP とポリマーの両方に同じ危険有害性分類が適用されることを正当化する必要があります。

トキシコキネティック

ポリマーの危険有害性を予測するために最低限必要な情報は、物理化学的特性と分子構造解析から推測されるトキシコキネティックデータです。トキシコキネティックデータは必須の要件ではありませんが、ポリマー分子の挙動を予測することで強固な正当性を証明するのに役立つでしょう。

ポリマーの登録者にとっての課題とは

ポリマーに関する K-REACH と他のグローバルな規制との違いは、多くの登録者にさらなる負担を強いることになります。ポリマーの定義に該当する物質を特定して、免除申請と登録の対象となるグループに分けることは困難を伴います。韓国政府のポリマーガイダンスの中には、リスク評価について不明確な部分があり、様々な用途をすべてカバーするには十分ではないかもしれません。ポリマーの用途は多岐にわたるため、ポリマーの用途情報を収集することは困難です。また、EU REACH において、すでにモノマー登録を経験している登録者にとっては、ポリマーの用途情報を扱ったことがなく、データギャップも生じる可能性もあるため容易ではないでしょう。

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